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お気楽な日々達2005年9月分
2005/9/28 Wed.
●不健康診断の結果が返ってきました。あらら、また悪玉コレステロールが高くなってる。ここ数年、許容範囲内だったのですが、ちょろっと飛び出してしまいました。それほど心配するレベルではありませんが、ひどくならないように気をつけなくちゃ、、、って、どうしたらいいんだろ?(^^;; お酒や脂っこいものを控えて、仕事もそこそこでってところでしょうか?
●さて、メトレビューの続き。委嘱作品というのは、最後の最後までその音楽作りにアイデアを出し合って、少しでも作曲家のイメージに近づける作業をできるのが一番の醍醐味。ということで、今回の松平さんの作品では、ソプラノの立ち位置を少し変えたり、打楽器の音量をコントロールしたりと、ギリギリまで調整をしてみました。また、曲の印象を大きく左右する歌も、ソプラノの太田さんがキャラクタ作りや発声に試行錯誤していただくなど、おかげさまで納得のいく演奏ができたと思います(メトらしくない演奏だったとの声もチラホラあったようですが、、、)。松平さんも打ち上げではニコニコご機嫌で、それなりにご満足いただけたのがなによりでした。
●で、その打ち上げの時に松平さんが「『アマチュア』って何なんでしょうね?」と話されたのが印象的でした。メトのやっていることは、プロでもなかなかやらないようなことだといった文脈の中で話されたのですが、松平さんは「たくさん練習することができるのがアマチュア」とのご解答。この日の演奏が、よく練習した結果うまくできたね、とのお褒めの意味だったのか、もっと練習できたはずでもっともっといろいろな表現ができたのにとのお叱りの言葉だったのかはあえて突っ込みませんが(笑)、アマチュアの我々が初演したことに非常に興味を持っていただいたようです。で、同じ質問に対して、指揮者の小出先生は「少ない本番にかけられる想い」がアマチュアなのでは?とのご意見でした。小出先生からは、毎年毎年、メトみたいなことをやっている団体は世界広しといえどもそうそうみつからない、だからもっと自分たちのやっていることに自信を持ってほしいしどんどんアピールして欲しい、そして自分たちの活動をもっと大事にして欲しい(=毎年ちゃんと参加してね。参加しないなんてもったいない=そして、ちゃんと最初から練習に参加してもっと弾けるようになって、、、筆者意訳(笑))、とのお言葉をいただきます。
●ワタクシ自身プロではないので(将来そうなることもありえないでしょう)、プロなのかアマチュアなのかという区別にあまり意味があるとも思っていませんが、自分自身の中ではチャレンジと成長ってことを大事にしているつもりです。確かに好きな曲を仲良しメンバーとワイワイ弾くのは楽しいことですし、事実そういう目的で演奏会を開いている団体さんも数多くあります。でもワタクシ自身は好きな趣味を長く続けたい、そのためには自分自身が少しでも成長あるいは進歩してるってことを実感したいのです。端的にいえば、新しいことや難しいこと、完成度や表現力を高めることにチャレンジし続けて、ちゃんと結果を出して、達成感や充実感を大きいものにしていきたいのです。メトというオーケストラも、是非そういう団体になって欲しいと思いますし、それができるための「場」や「材料」を提供し続けていきたいと思います。もちろん、そのためにはお金や時間もかかりますし、決して楽はできないことばかりです。クラシック音楽の世界は、勉強してもし尽くせないほどの「ネタ」があります。感受性や表現力を高めるためには、音楽だけでなくさまざまな世界を知る必要があります。そして、仕事との両立や団体運営などなどまじめに考え出したら気が滅入ることだらけかもしれません。それでも今回の演奏会では、メトの長年の夢の一つであったRシュトラウスの「メタモルフォーゼン」をメンバー一人一人の力を借りて実現し、それなりの結果を出すことができました。そして一人の作曲家の新しい作品を、現実の音として提供することができました。ということで、「アマチュア」のワタクシとしては今回の演奏会にはとても満足していますし、だからこそそこにとどまるつもりはなく、また来年の夢に向けて新たな気持ちで勉強を始めようと思っているのです。
2005/9/26 Mon.
●おかげさまでメト演奏会、無事に終了しました。3連休の中日に加えて、当日は台風接近の悪天候の中、285名のお客さまにお越しいただきました。しょーじき、もう少し入って欲しかったのも事実ですが、ワタクシが声をかけ方々も軒並みNGだったということで、ま、しょうがないですかね? 次回は2006年9月17日(日)の夕刻、日大カザルスホールです。来年もどうやら3連休の中日なのでなかなか難しい条件かもしれませんが、できれば記憶の片隅に入れておいていただければうれしいです。(^^;;;
●さてさて演奏の出来ですが、演奏者の立場からすると、どの曲も大きな事故なくそつなくこなせたというだけでなく、Rシュトラウスなどはかなり上手くいった部類に入るのではないでしょうか? 練習で出来たことを基準に考えればおそらく7割程度しかなく、もっともっと上手い演奏や豊かな表現ができたはずという気もしなくはありませんが、ワタクシ的には近年の演奏会の中では珍しいほど「悔い」の残らない演奏会でした。いつの日かもう一度再演したい曲ばかりですが、リターンマッチをしたいとは思わなかったのは、ほんとに久しぶりの感覚です。
●こうした気持ちになれたことの一番大きな理由は、曲の途中でリカバリができるようになってきたことかな? コンマスという立場上、オケや指揮者に対して!(笑)いろいろと仕掛けることが多いのですが(間合いや音量、テンポ変化など)、以前のメトであれば冒頭で失敗したり途中で乱れると、曲の最後まで悪い感覚を引きずってしまい、途中で軌道修正しようと思ってもなかなかできなかったことが大半でした。しかしながら、今年はなぜか上手くいったような気がします。例えば、メタモルでは予想通り練習よりほんのわずか遅いテンポで始まったのですが(音を引きずってしまった)、練習のときは一度遅く引き伸ばされてしまうと緊張感が切れてしまって元に戻れなかったのが、本番では緊張感が途切れずにうまく展開部の新しいテンポに乗れて停滞することなく曲が進んだのです。メンバー全員が「音を探らずに」自信を持って演奏してたからかな? お互いを良く聴きあって自分の役割に徹していたからかな? それとも指揮者を良く見ることができていたからでしょうか? 理由はいろいろあると思いますが、結果的には、あれあれ?って思っても小さい軌道修正が重ねられて、「おかしいな?」と思っている時間が短かったからなのでしょう。これは、確実にメトに実力がついてきた証拠だと思います。その意味で、メトは今年の演奏会で一皮向けたといっていいと思います。メンバー間にこの感覚を持っている人がいるかどうかあまり自信はありませんが(笑)、来年はこの演奏会の出来をベースにさらなる「上」を目指していきたいなあ。。。
●もちろん良い点ばかりではなく、たくさんたくさん反省すべき点があることも確か。プログラムの特性から、やはり「重い」演奏会であったでしょうし、曲を良く知らないお客さまには「難しすぎる」という感想を抱かれても仕方がなかったかもしれません。アメリカ式の入場や曲間のレイアウト変更のスムーズさ、アンコールをしないスタイル、パンフレットの字の小ささ、そして何よりも音そのものの美しさなどなど、演奏会を一つのエンターテイメントとして考えるとまだまだ数え切れないほど改善の余地があります。メトは敷居が高いと思われることも多いのですが、何も自ら好き好んで敷居を高くする必要はないわけで、少しでも親しみやすい雰囲気を作ることや、我々がやっていること目指していることを少しでも多く理解してもらう努力が必要だと思っています。そして何よりも、一人でも多くの人に聴いてもらう努力をしなければ。。。
●ということで書きたいことが山ほどありますが、次回更新では、打ち上げの時にお話いただいた松平さんの「アマチュアって何だろう?」ってことについて書きたいなあ。あ、ちなみに今年の演奏会の音源公開は、おそらく年明けになると思います。会場にお越しいただけなかったみなさま、今しばらくお待ちくださいね。
2005/9/21 Wed.
●メト演奏会直前・宣伝モード。今日は委嘱作品について。松平頼暁さんはみなさんご存知ですかね? 現代日本作曲家の重鎮中の重鎮と言える、それはそれはすごい方なのですが、マンドリン界ではほとんどなじみはないかもしれませんね? ピアノを弾かれる方なら、全音のドビュッシー前奏曲集等で詳細な曲目解説をされている松平頼則さんをご存知でしょうか?(NAXOSでもCDが出ていますね) この方は頼暁さんのお父さんです。ワタクシの頼暁さんとの出会いは、おそらく青土社から出版@1984されていた「20.5世紀の音楽」という書籍かな? 残念ながら今では絶版のようですが、高校時代でしょうか、そのタイトルを見て即ゲットした記憶があります。ずいぶんと難解な本だなという印象があったのですが、先日読み直して、ずいぶんとすっきり整理されているなあと改めて感心してしまいました。
●さて、松平さんの新曲。そりゃあもう「ちょー気持ちいい」ってな音楽なのですが、松平さんの独特のユーモアというか、なんと例えればいいかな? 高橋留美子の「めぞん一刻」をご存知であれば、四谷さんのキャラに近い感覚がします(笑)。6月だったか、松平さんの演奏会に行ったのですが、その発想の豊かさには舌を巻いてしまうほどのものでした。その若々しく、すべての技術を身に着けた上での等身大のセンスは、今年74歳になられる「おじいさん」とは思えないものでした。例えば「Uのための0、1&2(1990年)」というチェロ独奏のための作品では、1楽章がpizz、2楽章が弓1本、3楽章が弓2本を使うという超絶技巧を要するキワモノ。「カード・ゲーム(1995年)」では、奏者=演者がカードに書かれたパフォーマンスをカードに書かれた数字の時間(秒)分だけ行うもの、などなどアイデアには事欠きません。今回の新作はオペラの間奏曲の一つとして書かれたため、それほど奇異なものではなく聴きやすい部類だと思いますが、それでも冒頭から4.5拍子(普通の4拍子四分音符の「C」「A」「G」「E」に、八分音符のB音=「Bee」があちこち動く)でテーマを提示するなど、音楽的にはなかなか凝った作品に仕上がっています。普段とはちょっと異なる打楽器編成やピアノ、ハープの音使いも、作品の輪郭を引き締める効果的なオーケストレーションとなっています。
●松平さんのユーモアやアイデアは、決してそれ一つずつが大きな革命的なものではなく、言われてみれば誰もが「ああ、なんだ、そうか」と思える身近なものです。でもそれを実際に現実のものにして、さらりと「ほら、面白いでしょ?」って言っている感じがします。ご本人や演奏者はいたって真面目にパフォーマンスするのですが、ほろっと「面白いねえ」とつぶやかざるをえないユーモアなんです。この感覚は、他の誰にもない松平さん独自のものなんです。おフランスのエスプリでもなければ、アメリカの陽気なユーモアでもありません。イギリスのシニカルさでもなければ、日本の笑いとも違う感覚がします。それでも、決して摩訶不思議で予測不能なものではなく、なんとも懐かしい、、、そうだな、教育テレビのピタゴラスイッチのようなさらりとした、それでいて隅々まで計算されつくした完成度という感覚なのです。この世界、一度魅力に取り付かれると、もしかして癖になるかもしれません。書けば書くほど、なかなか想いが伝わらないもどかしさを感じますが、新作について最後に一言だけ。「ちょー気持ちいい」というスラングいっぱいのちょっといかれた歌詞と、淡々と進む実際のサウンドとのギャップをお楽しみくださいね。
2005/9/20 Tue.
●メト演奏会直前・宣伝モード。今年の聴き所はどうでしょうね? 例年になく多彩なサウンドというか、キャラクタの異なる作品が並んだというか、よく言えばいろいろ楽しめるプログラム。悪く言えば、結構ごった煮なんぢゃない?(笑)ってところでしょうか。もちろん、メトのコンセプトである「マンドリン音楽の可能性の探求」の結果ではあるのですが、例えば時代背景をみると、新ウィーン学派、近代おフランスの室内楽、大戦末期・激動の時代に作られた後期ロマン派の大作、そして何でもありの今日に生まれた作品、と多様なものとなっています。もともとの作品の編成をみても、カルテット/ハープ・木管楽器を含む室内楽/ソプラノ・ハープ・ピアノと打楽器を含むマンドリンオケ/23人の独奏弦楽器、とまったく立体感が異なっているんですよ。各作曲家が作品に込めた想いや語法の違いなど、できればメト責任者しょーやまさんの秀逸な曲目解説などを事前にお読みいただき、当日を楽しんでいただけるとうれしいです。とくに新作の歌詞は、何度も読んでおいていただけると、楽しみも倍増すること間違いなしですよ!
●さて、その中でもワタクシのお勧めはRシュトラウスかな? 30分切れ目なく演奏される大作で、弾くほうもめいっぱいのものに仕上がっていますが(fトレモロが続くなどほんと腕がつりそうです)、いやはやこの作品はすごいです。ワタクシ自身の音楽的な好みのひとつが古典派からロマン派のドイツ音楽なのですが、主題提示、展開、再現という形式感が大好き。その醍醐味が、いかに主題を上下左右縦横斜めに「変化させて」、そして感極まったところで再現するというワンパターンの妙味なんです(笑)。水戸黄門や忠臣蔵の世界ですな(笑)。主題、展開、再現という一つの決まったフォームの安心感の中で繰り広げられる自由な世界。で、メタモルについていえば、ベートーヴェンの英雄2楽章葬送から引用された主題をRシュトラウスならではの自由な調性で展開したあとの再現部の妙味、これにつきると思うのですがいかがでしょう?
●主題の変容とドイツの変容をかけたこの作品、大戦期のドイツ本国に対する想い、ひいては形式に基づく古典〜ロマン音楽=すなわちドイツ音楽の崩壊に対する想いがひしひしと伝わってきます。で、さまざまな想いのつまった主題提示と変容の中で(変容のたびにテンポがあがり緊張感を増していきます)、曲のピークでG音ユニゾンから12度駆け落ちて突入する再現部からの悶々とした展開。当初のテンポに戻して、過去の英雄=文化かな?をその通り再現させたいと必死であがくのですが、時代の流れはもうもとには戻れないとばかり、再現の形が提示部通りにはいかないもどかしさ。うまく再現されないので一度リセットするのですが、それでもやっぱり時代には勝てずに別の形をとってしまう、そして最後にはあきらめてエロイカ「葬送」のテーマに身をゆだねるという、この悲しさ、せつなさ。成長、発展したものが最後の最後には崩壊してしまうというある種の絶望感も感じられる大作です。
●重量級のこの作品、マンドリンとの相性はどうでしょうか? メトとしては設立時から十数年想い続けて、今年満を持して取り上げた作品。弦の粘りはヴァイオリンにかなうものではありませんが、変容の透明感や緊張感などはマンドリン合奏でも十分に表現できるものと自負しています。23人の弦オケだとややもすると「音が鳴りすぎて」、主題が交錯する部分が何がなんだかわからなくなってしまうのを、マンドリンオケではより楷書体ですっきりした描写ができるのではないでしょうか? もちろんそのために求められる演奏技術は通常のマンドリン曲の比ではありませんが、さてさてみなさんの耳にはどう届くでしょうか?
●ということで、明日は松平さんとラヴェルの作品の魅力をかけたらなあ。今日は更新を二つ。メト過去の音源、レスピーギ「ローマの噴水」、エルガー「交響曲1番より3楽章」、ファルボ「組曲スペイン」等を追加しました。はむらぼサイトは開設当初から掲示板を持っていないのですが、ご感想やご質問などありましたら、日記ページ等でご紹介もできますので、お気軽にメールください。もひとつ、笹崎歴史2をアップ。かなり前に原稿をもらっていたのですが、ようやくの更新です。グラズノフとグリンカ。。。うーん、ワタクシ的には、ほとんど関心ない作曲家かも。
2005/9/16 Fri.
●ご・ぶ・さ・た。すっかり忘れられた存在になりましたが、お気楽なペースで更新はしていこうと思っています。ということで、過去にさかのぼっていろいろと書きたいのですが、目前にメト演奏会がせまっていますのでまずは宣伝モードで。9/24(土)の午後6時半開演、日大カザルスホールにて、第16回演奏会が行われます。今回の聴き所はおいおいご紹介するとして、集客目的に過去の音源の一部を公開しました(喜)。ようやくワタクシの念願がかなったかな。ライブ録音なので傷も多く、必ずしも自信満々での公開というわけではありませんが、良くも悪くもメトの現実をみなさんに知っていただき、少しでもメトの敷居を低くできればと思っています(笑)。サーバ容量に制限があるので、ときどき曲を入れ替えるつもりですので、今後ともどうぞお楽しみに。
2005/9/11 Sun.※
●マキシマ青使ったよ
2005/9/10 Sat.※
●柄沢のお祭り 山車に乗ったら高所恐怖症? 日菜用楽譜初めて家族の役に
2005/9/7 Wed.※
●イケガクいったよ ピック選びで試奏できないとは
2005/9/4 Sun.※
●メト太田さん、クローズサイト増えた? 防災グッズ、ただいま編曲中
2005/9/3 Sat.※
●夏休み最後のプールで背中ヒリヒリ
2005/9/1 Thr.※
●不健康診断 体脂肪11%
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